兜をつくる

ヘルメットで筋兜をつくります。

    工事用ヘルメットを加工して筋兜をつくります。

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兜の基本構成

    兜の基本構成です。

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兜鉢をつくる

    ヘルメットの内側のインナーをすべて取り除きます。

    内側に成型された突起もニッパー等で切り取ります。

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    兜の「しころ」を取り付けると、飛び出してすき間ができるので張り出している部分を切り取ります。

    なお、ヘルメットの庇は小さいので、別途に作成して貼り付けますが、この「のりしろ」として前の約20cmは残しておきます。

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    頂部の中心の少し前方に直径18~20mmの穴をあけます。

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    下の端から約20mmの位置にビニール被覆コードを貼り付けます。

    所々を液体瞬間接着剤で接着してから、全体のすき間に液体瞬間接着剤を軽く流し込んで接着します。

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    同様に、ビニール被覆コードを縦に液体瞬間接着剤で貼り付けます。

    筋兜は三角形の鉄板をつないだ構造で、16枚の鉄板なら16間、32枚を32間と言い、この間数のコードを張ります。

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    コードを張り終えたところです。

    左は切り取った庇です。

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    張りつけたコードのすき間をプラパテで埋めます。

    横に広がらないようにします。

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    塩ビ板または厚紙を張り合わせて整形した眉庇を、ヘルメットの庇の上にボンド等で張りあわせます。

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    塗装します。画像はスプレー塗装です。

    人工漆の場合は、筆塗装です。

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    花形に切り抜いた厚紙と金属ワッシャを重ねて接着し、金色に塗装して八幡座をつくり、兜の頂部に接着します。

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しころをつくる

    当世具足は、裾のひろがった逆さ朝顔形状の「日根野しころ」が合います。

    画像は毛引威ですが、成形の参考に(手づくり甲冑 山)

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    硬質塩ビ板または厚紙にレジン処理を行って「しころ」をつくります。

    最上段の①の板は吹き返し部分を一体に切り抜き、各々の板に威の穴を空けます。

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    ヘルメットの曲線に沿う形状に曲げます。

    最上段の①の板の両端は折り返し、吹き返し形状にします。

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    ②~⑤の板の上部は端部加工を行い、すべてのしころを塗装します。

    画像はわかりやすいように平面で示していますが、曲げ加工を行ってから端部加工を行います。
    塩ビ板の場合の端部加工は画像は製作の共通事項の端部加工を、厚紙のレジン処理の場合は手づくり甲冑/翔の製作記を参考にしてください。

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    しころを平紐で威します。

    しころの威しができたら、ヘルメット本体にしころを押さえつけながら、しころを取り付ける穴(径約3mm)をドリルで貫通させます。

    位置は画像の黄色の矢印で示した4ヶ所。しころの①の板の上端から1cm下です。
    貫通したら六角穴付きボルトを通し、内側からナットで固定します。

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    前の画像の白の矢印で示した3ヶ所に、緒を通す紐を取り付ける穴(径3mm)を1cm間隔であけます。

    長さ約5cmの平紐を通し、内側で縛って輪にします。

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兜の完成

    内側に、ホームセンター等にある厚さ1cmの粘着テープのついたスポンジを張り、実際にかぶってみながら、必要に応じてスポンジを重ね、厚みを調整してから、ボンドG-17で布を張ります。

    3ヶ所の輪に兜の緒用の紐を通します。
    ドライヤーなどでしころを暖めながらゆっくりと曲げ、形状の最終修正を行います。

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    厚み/1.5~2.0mmのプラパンを切り抜いて前立をつくります。

    繰半月と呼ばれる三日月の形状であれば、コンパスを使わなくても、台所のお皿で型取りができます(!)。
    切り取りができたら、はさみで裁断し、サンドペーパーで切り口をみがいて金色で塗装します。

    兜を頂く階級の武将は、背の旗印で「家」を示し、兜の前立で「武将」個人を示しました。

    よって、江戸期以降につくられた「売る」ための甲冑以前には、家紋をあしらった前立てはまず存在しません。

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    できあがった前立の背面に、0.3mm厚の真鍮板でつくったC型金具を接着材で貼り付けます。

    一方、1.0mm厚の真鍮板でつくったU型金具を兜の前面にボルトで固定します。
    前立を装着するときは、前立のC型金具を兜のU型金具に差し込みます。
    詳細図はこちら

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